012:ガードレール
ふいに、さりげなく腰を掴まれて、白線の内側に引き込まれる。
視界の左端に、チャコールのコートの肩がぐい、と現れる。
見上げた先に、薄く白い、冬の息。
その一メートル先に通り過ぎる、赤い自家用車。
どこまでも、続くような、錯覚を覚える。
ふいに、さりげなく腰を掴まれて、白線の内側に引き込まれる。
視界の左端に、チャコールのコートの肩がぐい、と現れる。
見上げた先に、薄く白い、冬の息。
その一メートル先に通り過ぎる、赤い自家用車。
どこまでも、続くような、錯覚を覚える。