2012-12-20 001:クレヨン 小説 夏の匂いがする。 君は黄色のクレヨンを持って。 画用紙一杯の向日葵を描く。 君の横顔は微かに笑っていて。 僕の方など見もしない。僕は水色のクレヨンを持って。 君の向日葵に青空を描く。 雲一つ無く。 言葉一つ無く。 君は僕など見ない。 見ているのは真夏の日差しと向日葵と。還ってこない彼の人。